日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
脂肪族カルボニル化合物亜硫酸水素ナトリウム付加物の解離定数
荒井 九一朗
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 82 巻 8 号 p. 955-958

詳細
抄録

さきに著者らは,脂肪族カルボニル化合物について,アルキル基の置換基定数 ΣICαnを定めた。
著者は,これをアルキル基のみならず水素原子にも拡張し,水素原子をも含めた置換基定数 ΣICαnが Taft の純極牲置換基定数σ*と比例関係にあることを示した。
脂肪族カルボニル化合物 (RCOR') において,置換基 R および R' の I 効果の総和は,両者についての ΣICαnの代数和をもって示しうる。アルデヒド類および各種アルキルケトンについて,その亜硫酸水素ナトリウム付加化合物の解離定数を実測し,その対数値を上記ΣICαn値について図示すると,アルデヒド,メチルケトン,エチルケトン,プロピルケトンの各系列について直線関係が得られる。ただし,直線の傾斜は,前記の順に大となる。
この結果は, RCOR' の二つの置換基 R および R' の相互作用にもとづく立体効果によるものと推論した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top