1965 年 86 巻 5 号 p. 519-521
無色のアニオンを有色の金属キレートカチオンとともに有機溶媒に抽出し,有機層における金属キレートの吸収スペクトルを測定することによって当該アニオンの定量を行なう方法をペンタクロルフェノールについて試みた。
ビピリジル-鉄(II)キレートは微量のペンタクロルフェノールとともにニトロベンゼンに抽出され, 528mμに吸収極大を示す。pH 10.6~11.6の範囲にわたり一定最大の抽出が得られ,ビピリジル-鉄(II)キレートはペンタクロルフェノールの4倍mol以上の濃度であればよく,迅速簡易に2~8ppmの濃度範囲でペンタクロルフェノールの定量ができた。
塩素,硫酸,リン酸イオンなどは1000倍mol共存しても妨害しないが,テトラクロルフェノールは微量存在しても妨害する。
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