日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第52回研究発表大会
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材料の音質に着目した遊び道具の提案
*寺内 文雄久保 光徳青木 弘行北川 舞
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p. 156

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抄録

本報では、遊び道具の音質に着目し、音を効果的に取り入れた遊び道具を提案することを試みた。そこで幼児の保護者を対象として、幼児が興味を持つ音と保護者が求める遊び道具についての質問紙調査を行った。その結果、好む音に性差があること、年少時には叩いて音を出す遊びが好まれ、年齢が上がるにつれて音階のあるおもちゃを好む傾向にあることなどが明らかになった。また保護者は遊びの発展性や遊びを通して社会性を養えるような遊び道具を求めていることが示唆された。そこで、これらの要求を満たすために2種類の遊び道具を制作した。一つは穴を開けた組み立て可能なブロックに金属や木材の棒を差し込んで叩いて遊ぶ道具「音ブロック」である。もう一つは有孔板の穴にゴムやたこ糸、水糸などの異なる材料を張り巡らせ、弾いて遊ぶ道具「音の巣」である。これらを幼稚園に設置し、園児の使用状況観察を行った。これにより、いずれの道具とも年齢によらず音質の違いに大変興味を示すこと、「音ブロック」では年長の幼児と比較すると時間はかかるものの年少の幼児でも音階へと遊びが発展していくこと、「音の巣」では協力しながら遊ぶ様子が確認できた。

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© 2005 日本デザイン学会
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