1966 年 87 巻 10 号 p. 1032-1035,A58
ブタジエンの無触媒液相塊重合を温度323°~368°K,圧力1100~5000kg/cm2がの範囲で行ない,速度論的立場から二,三の検討を行なった。重合反応は時間に対してほぼ直線的に進行し,誘導期は認められないが温度,圧力の増加によりいちじるしく加速される。見かけの初期重合速度から,活性化エネルギー(E),活性化体積,および活性化エントロピー を計算し,つぎのような値を得た。E=15.1~19.2kcal/mo1,47≒-8.8~-17.2cm3/mo1および5≒=-38.0~-24.3e.u。圧力の増加とともに活性化エントロピーと活性化エネルギ0は増加しているが,高圧下の重合速度の増大は前者の影響がいちじるしく大きいことを示しており,後者は重合速度を減少させる方向に働く。得られたポリマーは通常の溶剤に不溶であり,かなり架橋度の高いものであると思われる。
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