1966 年 87 巻 10 号 p. 1073-1075,A60
種々の水素供与体存在下シアンギ酸エチルの光分解によるエトキシカルボニル化をとりあげた。ジフェニルメタン,トリフェニルメタンなどの芳香族炭化水素中の光分解においては,ジフェニル酢酸エチル,トリフェニル酢酸エチルをそれぞれ究極収率36,26%で得た。つぎにいわゆる活性水素をもったエチルアルコール,フェノール,チオフェノール中での光分解を行なった。エチルアルコール中での光分解ではほぼ定量的に炭酸ジエチルが得られた。フェノール中では反応率は低いが78%の究極収率で炭酸エチルフェニルエステルを得た。チオフェノール中では少量ながらチオール炭酸0-エチル-S-フェニルエステルを得た。なおアニソールを用いてベンゼン核への核置換が起るかどうかも検討した。これらの反応の機構について若千考察する。
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