日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
ゲルロ過による天然汚垢の分離
角田 光雄大場 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 89 巻 9 号 p. 831-834

詳細
抄録

セファデックス LH-20 ゲルを用いたゲルロ過法により, 天然汚垢の分離を行なった。その結果流出曲線に三つのピークれが表わてくる。
既知の油脂物質に対するゲルロ過の測定結果から類推して, 第1ピーク(ピークA)には分子量が約400以上の成分が含まれており, 第2ピーク(ピークB)はコレステリン, 第3ピーク(ピークC)は高級脂肪酸に相当する。各ピークに相当する流出液中に含まれて流出してきた成分の赤外吸収スペクトルおよび薄層クロマトグラフによる測定結果から, ピークAにはトリグリセリド. コレステリルステアレート, スクアレンが含まれており, ピークBはコレステリン, ピークCは高級脂肪酸であることが確かめられた。
この実験結果から, ゲルロ過法は洗浄の過程で洗浄除去困難な物質を推定する目的に利用できることがわかった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top