コブシ種子のメタノール抽出液の中性部から, 良結晶性の板状結晶をえた。この結晶は mp 126.5~127℃を示し, 分子式はC24H30O8であることがわかった。この結晶は酸の作用または, 酸化白金を触媒とした還元に対し非常に不安定でいずれの場合にも薄層クロマトグラム上に数個のスポットがみられた。またこの結晶の IR, 質量スペクトル, 核磁気共鳴吸収の結果はいずれも従来から報告されている縮合テトラヒドロフラン環を持ったリグナン誘導体によく類似していることがわかった。
そこで過マンガン酸カリウムや濃硝酸による酸化生成物から, この物質が従来天然界にはみられなかった6個のメトキシル基を有する上述のリグナン誘導体であることがわかった。
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