日本化學雜誌
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ポリアクロレインオキシムの2価遷移金属錯体の安定度
武藤 宣彦小松 剛中川 鶴太郎
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1971 年 92 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

ポリアクロレインオキシム(PAO)と2価遷移金属イオン(マンガン(II),コバルト(II),ニッケル(II),銅(II),亜鉛(II))との水溶液中における錯体生成反応を25°C,イオン強度0.1においてpH滴定法によって研究した。 PAOの酸解離定数は変型Henderson-Hasselbalch式の適用によりpKa=11.6,定数n=2.36と決定された。 PAOの2価金属錯体の安定度定数はGregorらの変型Bjerrum法によって計算した。各錯体の生成曲線によれば,高いpH値の相当広い領域にわたって,多くの場合に各金属原子は2個のオキシム基を含む錯体を形成する。各金属キレートの安定度の順序はMn(II)<Zn(II)<Co(II)<Ni(II)<Cu(II)となり, Mellor-Maleyの序列と一致した。求めた安定度定数logβ2を低分子analogueであるジメチルグリオキシム錯体のデータと比較してみると,どのPAO錯体もかなり高い安定度をもつことがわかる。

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© The Chemical Society of Japan
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