多種類の触媒のオレフィン酸化反応における活性序列およびオレフィンの反応性を知ることを目的とし以下の実験を行なった,いろいろの触媒上で炭素数5以下のオレフィン酸化反応を行ない,得られた生成物間の量的相関を検討すると,部分酸化に関しては単純な正の相関関係が認められるのに対して,完全酸化にはそのような相関を認めることが困難である。これから,触媒上の活性点および反応機構は部分酸化については同Iしであるが,完全酸化については異なるものと結論した。部分酸化生成物の生成量は主として反応に有効な活性点数により決められ,炭化水素の不可逆吸着による活性点の三門により支配されている。オレフィンとジエンのイオン化ポテンシャル対生成量の相関関係はその吸着残留物の多くが生成物であることを示している。オレフィン酸化の典型触媒として知られるBi-Mo(1/1)触媒はメタクロレインなどの生成において特異に低い反応活性をもっており,この触媒における吸着残留物の阻害程度が他の触媒の場合と異なるためと推定した。
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