日本化学会誌(化学と工業化学)
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酸化ニッケル-酸化タングステン-アルミナ触媒によるエチレンとプロピレンの共二量化反応
小林 厚夫越後谷 悦郎
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1973 年 1973 巻 4 号 p. 668-673

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抄録

担体付のNiO, WO3, NiO-WO3触媒上で,エチレンとプロピレンの共二量化反応を行ない,シリカおよびアルミナの担体効果と共二量化反応の機構を推察した。反応は常圧,固定層流通系で行なった。NiO-WO3-Al2O3触媒が共二量化反応に有効であり,NiO-Al2O3より活性が大きかった。また,WO3-Al2O3上では共二量化反応は起こらなかった。また生成物の異性化反応も合わせて検討し,共二量化反応による一次生成物はn-ペンテン(1または2)であり,イソペンテンはn-ペンテンの異性化によるものと結論した。
また,エチレン,プロピレンの各種触媒に対する反応性は エチレン:NiO..WOs.A1203>NiO-A1203 WO3-A120s rO プピレソ:NiO-WOs-AI203>WO3-A1203>NiO-A120sであった。
またこれらの触媒は二量化活性ばかりでなく,異性化活性も有し,とくにNiO-Al2O3, NiO-WO3-Al2O3は二重結合の異性化能が大きく,生成物はほとんど平衡組成に近かった。

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