日本化学会誌(化学と工業化学)
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リン酸ジルコニウム固体酸触媒の2-プロパノール脱水活性
野崎 文男伊藤 俊夫植田 四郎
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1973 年 1973 巻 4 号 p. 674-678

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抄録

ZrO(NO3)2とNaHPO4から調製したリン酸ジルコニウム触媒の2-プロパノール脱水活性を流通法で調べた。また触媒焼成温度を200~1000℃の間でかえたとき,触媒活性と酸量との関係および触媒試料のDTA-TGA,IR吸収スペクトル,X線回折などを検討した。
その結果,脱水反応は零次反応速度式で整理されること,触媒活性および酸量との間にほぼ平行関係があり両者とも触媒焼成温度400℃付近で最大値を示すことがわかった。また触媒構造に関する検討から触媒焼成過程中に触媒の含水塩構造から水が脱離して生ずるLewis酸(L酸)点が固体酸性および触媒活性の発現に主として関与しているものと推考された。またリン酸ジルコニウム触媒の2-プパノール脱水活性はアルミナと同程度以上に高いが,キュメンの脱アルキルやプロピレン重合などには活性がないなどリン酸ジルコニウム触媒がアルミナ触媒と類似接触能を示すことがわかった。

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