1973 年 1973 巻 4 号 p. 679-683
遷移金属にみられるような酸化還元作用のないカチオンをもつゼオライト触媒(NaY, CaY, HY)を使用し,ベンジルアルコールの気相酸化を行なった。またNaY触媒の場合については速度論的検討も合わせて行なった。
ベソジルアルコールはNaY触媒によりベンズァルデヒドを経て安息香酸へと逐次的に酸化されることが明らかになった。ベソジルアルコ一ルからベソズアルデヒドへの反応の反癒次数はベンジルアルコールに対して0.4次であり,酸素に対して0.5次であった。また活性化エネルギーは220~300℃の温度範囲で11kcal/molであった。
酸化反応への転化率(ベンズアルデヒド生成率+安息香酸生成率+1/7 二酸化炭素生成率)が3%に達する反応温度がHYで195℃,CaYで245℃,NaYで265℃であることからY型ゼオライトの酸化活性の強さは,HY>CaY>NaYの順序であることが明らかとなった。また二酸化炭素収率は140~300℃の温度範囲では最高0.43%であり,きわめて少なく良好な結果であった。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。