日本化学会誌(化学と工業化学)
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可溶性ポリフェニルシルセスキオキサンの合成
滝口 利夫藤川 恵里山本 靖植田 政良
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 108-111

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抄録

(1)カリウムフェニルシラソトリナールの水溶液と無水酢酸とのMIBK層を介しての反応,(2)ジラノラート水溶液とクロロホルムとの反応,(3)フェニルトリクロロシランとアミン水溶液とのMIBKl層を介しての反応,をいずれも還流温度において行ない,高収率で可溶性ポリフェニルシルセスキオキサンを得た。生成物の(η)(ベンゼン,25℃)はO. 06~0。13であり,0.1%のKOHとの加熱で徐々に高分子化し,[η]=0.33,分子量7.2×1 O姦に達する。同様の方法を,(1)フェニルトリクロロシラソージフェニルジク恩命シラン(1:1),(2)フェニルトリクロロシラソーメチルフェニルジクロロシラン(1:1),(3)フェニルトリクロロシランービニルトリクロロシラン(1:1)について行ない,いずれも可溶性共重合ポリシロキサンを得た。(1)の生成物は:mp 75~85 Cの固体であり (2)の生成物は高粘度のガム状物質であった。( ),(2)の生成物はともにアルコール以外の多くの溶剤に可溶であり,IRスペクトルよりシクロテトラシロキサンを主体とする鎖状ポリマーと考えられる。(3)の生成物は可溶性固体であり,融点を示さず350 C以上で徐々に溶解性を失う。

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