日本化学会誌(化学と工業化学)
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固体反応の速度と機構におよぼすボールミル処理の影響-BaCO3-Sio2系-
山口 喬松村 一夫久野 洋
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

BaCO3-SiOa系の反応において,工業的に広く用いられているボールミル処理によって反応がどのように影響を受けるかを主として速度論的な立場から調べ,熱力学的考察などとあわせて,反応機構を明らかにしょうとした。
水溶液からの沈殿によりf乍製したBaCOsと無定形SiO2の等モル混合物を,9.5~192時間の箆囲でボールミル処理し,800~900℃の温度範囲で加熱し,熱テンビンにより反応を追跡した。この他に電子顕微鏡による観察,DTAも併用した。
無定形のSiOaを使用した場合は,ボールミル時間に関係なく,反応の主要部分にはJanderの式が適用でき,活性化エネルギ一はすべて53 kcal/mo1であった。一般に反応はつぎに示す三段階で進行する。
BaCOs+SiOs=BaSiOs+CO2 (1)
BaCOs+BaSiOs==Ba2SiO+CO2 (2)
Ba2SiO‘+SiO2=2 BaSiOs(3)
反応(1)ではCO,の影響がないが,反応(2)は高温,低CO2分圧におけるほど促進された。ボールミル処理の影響は,ボールミル処理の初期ではBaC Osの粉砕が,後期ではSio,粒子の分散が主として反応速度の増加に寄与していることが明らかにされた

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