日本化学会誌(化学と工業化学)
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アルミナ触媒の細孔構造と気体の粒内拡散
勝沢 英夫小林 純一樋口 泉
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 27-30

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抄録

著者らは,既報において球形単位粒子が単一立方格子型(SC)および最密充テン型(CP)に充テンした多孔体模型に基づいて多孔体内の有効拡散係数D,を理論的に求めるため,開孔率と迷路係数の比θ01Lを計算した結果,それぞれ123および,0672~o.0798の値を得ている。本報では,SC型充テン多孔体の理論曲線と一致する収着等温線をもつネオビードC-5(球状アルミナ)について450~1200。Cの範囲でそれぞれ焼成した試料を作成し,ヘリウム,アルゴン,窒素の有効拡散係数を直接測定し,細孔内拡散係数Dとの比,すなわちθoLを実験的に求めて理論値と比較した。各気体に関するDの比は,分子量の平方根の比に逆比例したので拡散は体積拡散のみであったとした。また,各焼成試料に関するθo/Lは実験的にほぼ一致した。以上のθo/しの平均は0.12となり,SC型充テソ模型から計算:した結果と一致し,モデルの妥当性を支持する結果を得た。

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