日本化学会誌(化学と工業化学)
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高圧下におけるブチルアルデヒドの塊状重合
岡本 政実大杉 治郎
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

ラジカル捕捉剤であるDPPHが,高圧下でブチルアルデヒドの重合触媒になることを認め,これを触媒として,圧力5600~8240 kg/cm2,温度7~34。Cで塊状重合を行ない重合収率の圧力,温度による影響を検討した。生成ポリマ一は無触媒,高圧下で得られたものと同様にポリアセタール構造をもち,常温常圧下で解重合を起こす。反応は時間とともに飽和値をとり,この値は反応温度,圧力によって大きく影響を受けるが,触媒濃度には依存しない。一定温度または圧力下で,これらの収率を0に外挿して各圧下での天井温度を決定した。天井温度は5500kg/cm2で12。Cから8240 kg/cm2で36℃まで上昇した。一方,重合にともなうエントロピー変化Sp*,エソタルピ-変化4 H,*は,重合にともなう体積変化dVを測定することによって, Clausius-Clapeyronの式から決定し,∠Sp*= -21 e, u, aH,*= -6.3 kcal/mo1(7000 kg/cm2)の値を得た。常圧への外挿値は,天井温度-53℃,aHe*-4.2kcal/mo1,dS -19 euであった。

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