日本化学会誌(化学と工業化学)
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石油の接触分解においてMgO-CaO-Al203-NiO系触媒中に生成するバナジウム化合物
小松 進山口 悟郎
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 41-44

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抄録

原油の接触分解油ガス装置に使用されている,MgO-CaO-A1霧03-NiO系触媒の劣化について,その原因を明らかにするため,化学分析,X線分析などを行なった結果,触媒の表面部分に多量:のV205が検出され,またこの部分に未使用触媒にない鉱物が,新たに生成しているなどのことが判明した。
このV205に由来すると思われる鉱物についてX線解析などにより,結晶系,格子定数,鉱物組成などの解析を行なった結果,つぎの2種類の鉱物であることが判明した。
1)斜方晶形,格子定数,a=8.32,b=11.43,0=6.05,鉱物組歳,3MgO,V205
2)六方墨形,格子定数,a=10.365,e= 37.058,鉱物組成,3(Ca,Mg)O,2 V20s
さらに触媒中に生成するこれらの鉱物は,MgOの一部門NiOと置換された3(Mgi.x,Ni.) O。V20G,および3(Ca,Mgi.x,Ni.) O。2 V205となっている可能性が強い。

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