メカノケミカル脱水物の表面活性を触媒機能に利用することを目的として,摩砕によるジブサイト-含水シリカ混合物の挙動について検討を行なった。
ジブサイトAI(OH)3と含水シリカSiO2,n H:20をSiO,/Al,03組成比10/90となるよう混合し,摩砕を行なうと,メカノケミカル脱水によってスピネル欠陥構造のγ-A1203と無定形シリカが生成するが,両者の間にA13+Pt Sit の相互置換が行なわれ,その表面に固体酸性度が発現する。しかし,摩砕の継続につれて,凝集による二次粒子の生成,大気中よりの水分の表面吸着が起こり,固体酸性度はそれほど大きくならないが(最高値02mmo1/g),加熱により表面をクリーニングすると,800~1000℃の高温域における固体酸性度は急増し(最高値O.9 mmg) ,同組成比の市販シリカーアルミナ触媒と同程度の機能を示すにいたる。水分の表面吸着をさけるため真空中で摩砕を行なうと,メカノケミカル脱水が促進されてすみやかにα-A120sに転移する。
高温度域における固体酸性度の急増はγ-A120sの熱安定性の向上に起因することが指摘された。
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