日本化学会誌(化学と工業化学)
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2-メチルアリルクロリドとホルムアルデヒドとの反応
大道 弘昭宮腰 哲雄斎藤鐘 次郎
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1975 年 1975 巻 4 号 p. 714-719

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抄録

2-メチルアリルクロリドとホルムアルデヒドとのPrins反応における副反応生成物を分離し,それぞれ α-イソブチレンクロロヒドリン[1],cis-3-クロロ-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピラン[3],trans-3-クロロ-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピラン[4],4-クロロメチル-4-ヒドロキシテトラヒドロピラン[5]であることを確認した。[4]と[5]を水酸化ナトリウム水溶液で処理すると,それぞれ相当するエポキシド[16]および[17]が得られた。
主反応生成物である4-クロロメチル-4-メチル-1,3-ジオキサン[2]は,50%硫酸の存在で,仕込みモル比がホルムアルデヒド/2-メチルアリルクロリド=2のとき,収率66%で得られた。
一方,酢酸溶媒中での反応も合わせて行ない,副反応生成物が上に述べた[1],[3],[4],[5]のほか,それらの酢酸エステル類[7],[12],[13],[14]ならびに4-クロロ-3-メチル-1,3-ブタンジオールモノアセタート[15]の脱水生成物[8],[9],[10],[11]などであることを確認した。ホルムアルデヒドと2-メチルアリルクロリドの仕込みモル比により,1,3-ジオキサン[2]またはモノアセタート[15]のいずれかが主反応生成物として得られたが,4-クロロ-3-メチル-1,3-ブタンジオールジアセタートは得られなかった。

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