1979 年 1979 巻 6 号 p. 711-715
無声放電によるオゾン生成反応で,放電電極表面上に金属酸化物を均一に塗布することにより,単位時間に対するオゾン生成量ならびに単位電力あたりのオゾン生成量で示すオゾン生成収率が高められることがわかった。とくに効果的な酸化物はGeO2,Fe3O4などで,オゾン生成量およびオゾン生成収率が酸化物を塗布しない電極に,くらべ20~30%増加した。また,これとは反対にCuO,Nioなどは塗布することによりオゾン生成収率が20~40%減少した。これらの傾向は,放電管内圧九印加電圧,原料ガス流量および冷却水温度などの諸条件を変化させても変わらない。
さらに,原料ガスを空気としたとき,無塗布電極ではN2O5が生成するが,GeO2,Fe3O4などの酸化物を塗布した場合,N2O5のほかにN2Oが生成した。したがって,これらの現象から,無声放電におけるオゾン生成反応は気相反応のほかに電極表面の反応も関与すること,およびナゾン生成収率は電極に塗布する酸化物の特性によって支配されることが示唆された。
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