日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
混合ポリマーの熱分解
村田 勝英秋本 実
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1979 年 1979 巻 6 号 p. 774-781

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抄録

異種ポリマー(ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレソ)を混合した試料について,熱重量分析ならびに流通式反応器による熱分解実験を行ない,混合ポリマーの分解速度,分解生成物について以下のような結果を得た。比較的低い温度領域では,分解温度の高い方のポリマーがより低い温度から分解を開始するポリマーの影響を受け,単味の場合より低い温度から分解留出を開始する。逆に高い湿度領域では,低い温度から分解を閉始するポリマーの分解留出が抑欄される。分解留出型の流通式反応器により混合ポリマーを熱分解した場合の分解速度は,各単味ポリマーの同温度での分解速度の調和平均で表わされることを導き,さらに爽測値と計算値とが比較的よく一致することを示した。混合ポリマーの分解生成物は,炭繁数分布で見るかぎり,各単味ポリマーの分解生成物の和として袈わされ,混合により異なった分解機構による分解物が生成するという可能性は少ないと考えられる。

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