廃タイヤを乾留して得られる残渣炭素から,付加価値の高い活性炭を開発する目的で本研究を行なった。実験は,タイヤを500℃で乾留して得た残渣炭素にパルプ廃液を加えて造粒し,3,5~16メッシュの粒度の試料50gを内径40mmの縦型石英反応管に入れ,1.5l/minでCO2を流して賦活を行ない活性炭を試作した。反応は見かけ上炭素についての0次反応で,見かけの活性化エネルギーは23kcal/molであった。賦活で得られた活性炭については,メチレンブルー,ベンゼンの吸着,比表面積細孔分布,圧縮破壊強度などの測定を行ない評緬を行なった。
本研究で得られた活性炭は,細孔半径250Å近辺に細孔が集中して存在しているのが顕著な特徴であり,100Å以下の細孔の発達はごくわずかしか認められなかった。以上の結果をもとにして,造粒の問題点,細孔分布,賦活反応の機構,活性炭としての評価などについて,検討と考察を行なった。
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