日本化学会誌(化学と工業化学)
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多糖キサントゲン酸チタン(IV)塩による海水ウランの回収
坂口 孝司中島 輝堀越 孝雄
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1979 年 1979 巻 6 号 p. 788-792

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抄録

セルロースキサントゲン酸チタンおよびデンプンキサントゲン酸チタンによる海水ウランの吸着にっいて検討した。その結果,(1)ウランの吸着量は1時間内のきわめて短時間に急激に増加し,それ以後の増加はゆるやかであること,(2)使用する吸着担体の量が増加するにつれてウランの吸着率はゆるやかに上昇すること,(3)海水のpHが4~8の範囲では,ウランの吸着はpHの影響をそれほど受けないことなどが認められた。天然海水51に吸着担体1gを3日間接触させ,天然海水からのウラン吸着率について調べたところ,セルロースキサントゲン酸チタンについては76.6%,デンプンキサントゲン酸チタンについては77.9%の高い吸着率を示した。以上のように,上記の多糖キサントゲン酸チタン塩は海水ウランに対してすぐれた濃縮捕集能を示すことが明らかになった。また,これらの吸着担体は海水からの分離が容易で炉過性にすぐれ,かつ,種々の形への成型が容易であるなどの利点をもっており,海水ウラン吸着剤として開発利用できる可能性が示唆された。

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