日本化学会誌(化学と工業化学)
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有機媒質中における2価金属セッケンからのオルガノゾルの生成条件
杉村 徳子北原 文雄
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1981 年 1981 巻 8 号 p. 1212-1216

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抄録

奇数および偶数個の炭素原子を含む直鎖脂肪酸ナトリウムと2価の金属塩化物から金属セッケンを合成した。これを有機媒質中に分散させ110~180℃ で種々の媒質中で数十時間加熱すると,金属に特異な色を呈するオルガノゾルが生成した。加熱により媒質の酸価の値が急激に増加し始める付近の温度からオルガノゾルが生成することがわかった。赤外吸収スペクトルにおいて加熱前に存在した金属セッケン特有のCOO-の吸収が加熱後には消滅しC=Oの吸収が現われること,またオルガノゾルの希釈,遠心分離から酸化物微粒子が遊離することから,加熱により金属セッケンが分解して酸化物が生成し,生成した酸化物の微粉末が媒質により安定化されていると推定した。

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