1981 年 1981 巻 8 号 p. 1223-1226
チタン-ランタン-コバルト系合金の本素吸蔵,放出特性について検討した。Ti1-xLaxCo(x=0.05~)-H系の高圧示差熱分析の結果,水素吸蔵,放出にともなう発熱,吸熱ピ0.ー5 クが認められ,いずれの合金も水素吸蔵,放出能を有している。これらの合金は活性化が容易で,80~200℃において水素を加圧し,室温まで放冷すると水素を吸蔵し,Ti0.930.05CoH1.4, Ti0.9La0.1CoH1.3,Ti0.75CoH0.8およびTi0.5La0.5CoH0.4で示される水素化物を生成した。これらの水素化物の解離圧チタンと置換するランタン量xによって決まり,解離圧の値はランタン量の増加とともに高くなる傾向を示した。200℃ における水素化物の水素放出率はほぼ100%であった。解離等温線から求めたTi0.9La0.1CoH1.3(水素含有量1.lwt%)の標準エンタルピー変化は-14.3kcal/molH2であり,1atmの水素解離圧を示す温度は115℃ であった。TiTi0.9La0.1Coの水素吸蔵,放出による性能劣化は30回まで認められなかった。
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