日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
硫酸ニッケルおよび硫酸コバルト水溶液からのニッケルおよびコバルトのセメンテーション
伊藤 宏山崎 利夫工藤 勝奥脇 昭嗣岡部 泰二郎
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1981 年 1981 巻 8 号 p. 1239-1244

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抄録

マンガンノジュールの硫酸浸出液から,ニッケルとコバルトを回収する方法として,セメンテーション法について研究した。
ニッケルとコパルトをそれぞれ2g/l含む混合溶液に所定量のフェロマンガン粉,鉄粉を添加し,ニッケルとコバルトの同時セメンテーションを行なった。実験は窒素雰囲気でpHを一定にたもつため所定濃度の硫酸を加えて行ない,反応におよぼすpH,温度,鉄粉添加量および共存する銅(III)およびアルミニウムイオンの影響について調べた。
ニッケルとコバルトの同時セメンテーションは,フェロマンガン粉,鉄粉により可能であり,ニッケルとコパルトをほぼ定量的に回収できた。還元鉄粉を用いてセメンテーションを行なう場合,液温80℃以上で反応中溶液のpHは4前後にたもち,添加鉄粉量は理論量の1.5~2倍程度で十分であった。銅(II)イオンはセメンテーション反応を促進したが,微量のアルミニウムイオン(0.005g/l)は反応を妨害した。

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