1981 年 1981 巻 8 号 p. 1279-1282
ホスホン酸ジフェニルーホルマリン樹脂(DPP樹脂)を基体とし,アミノ基を交換基とする陰イオン交換樹脂を合成し,その性質および陰イオン選択性を調べた。
本交換樹脂はDPP樹脂をクロロメチル化し,つづいてアミノ化することで容易に得られた。弱塩基型の樹脂でpH2~6の領域でイオン交換が可能である。アミノ化条件で変動するが,その交換容量は0.50~1.35meq/g-R(乾燥樹脂)であった。交換速度は速く,約15分で交換平衡に達し,通液性も良好であった。
本交換樹脂はCrO42-,MoO42-およびWO42-イオンを選択的に吸着し,SO42-,Br-イオンなどは吸着しない。Cr(VI),Mo(VI)およびW(VI)の除去あるいは濃縮回収に効果的で,10-3ppmを含むCr(VI)の希薄溶液からのCx(VI)の回収率は約96wt%であった。また,Cr(VI)とMo(VI)の分離が0.3wt%H2O2-1.5mol/lH2SO4溶液および0.5mol/l水酸化ナトリウム溶液を用いて可能であった。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。