日本化学会誌(化学と工業化学)
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脂肪族ヒドラジン誘導体と二硫化炭素との反応
小林 幸夫李 民雄白井 孝三
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1981 年 1981 巻 8 号 p. 1295-1298

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抄録

脂肪族ヒドラジン誘導体のアミノグアニジン,チオセミカルバジドおよびセミカルバジドを水溶液中,遊離塩基の状態で二硫化炭素と反応させると,いずれの反応でも2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(DMTD)を生成することがわかった。従来DMTDは遊離ヒドラジンと2倍モル以上の二硫化炭素との反応で生成することが知られているが,上記ビドラジソ誘導体から得られた例はない。この反応の機作は,アミノグアニジンと二硫化炭素との反応では,まずヒドラジノ基が二硫化炭素に付加し,本実験条件下ではさらにもう1分子の二硫化炭素が反応してDMTDを生成し,同時にシアナミドが脱離し,これが副生したH2Sと反応してチオ尿素を生成することが明らかとなった。
つぎにセミカルパジドをピリジン中で二硫化炭素と反応させると中間体のセミカルバジド-1-カルボジチオ酸ピリジン塩(PSDTC)を経て1,5-ジカルパモィルチオカルボヒドラジド(DCTH)を好収率で与えることがわかった。

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