1982 年 1982 巻 10 号 p. 1595-1602
Stuartらによって報告された重水素化Raneyニヅケルによる糖類の遊離ヒドロキシル基のカルビニル水素の選択的重水素化反応について,さらに検討を行なった。まずmethylα-L-arabinopyτanoside[4],methy1β-D-xylopyranoside[5],およびmethylα-L-rhamnopyranoside[8]の本反応にさいしての異性化反応を明らかにした。また,本反応におけるRaneyニッケルの種類,溶媒,反応時間などと重水素置換反応の進行との関係を検討し,異性化を最少限にとどめ置換反応をできるだけ十分進行させる反応条件としてW7一重水素化Raneyニヅケルを用い,重水(または重水-ジオキサン,重-メタノール-d4)中9時間前後反応するのが適当であることを明らかとした。
さらに, methyl β-sophoroside [13], methyl β-cellobioside [23],薬用人参サポニンのginsenoside-Rbi [24] の β-sophorosylおよびβ-gentiobiosy1部,methylβ-およびα-laminaribioside [18], [19] およびmethyl 2, 3-di-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranoside [22] などのoligo91ycoside,また多糖類としてα-1,6-91ucan[25]について本反慈を検討し,その結果からこれら化合物の13C-NMRのシグナルの帰属の再確認または一部訂正を行なった。
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