1982 年 1982 巻 10 号 p. 1603-1608
タウリンを発蛍光試薬として,糖類の薄層および高速液体クロマトグラフィーを検討し,簡便,迅速,高感度な分離分析法を確立した。糖類はタウリン試薬と中性付近のpHで加熱されると短時間で強い蛍光を発する。使用したタウリンは安価で安定性のよい試薬であり,かつ試薬自身はほとんど螢光がないのでより実用的な試薬である。本発蛍光反応は還元糖に射して特異的である。しかしながら還元糖のうちオリゴ糖は単糖にくらべて,やや感度が低くなる。薄層クロマトグラフィーにおけるD-グルコ- スの検出限界はo.1nmol/spotで従来法より高感度である。また再現性はD-グルコース015μg/spotにおいて変動係数3.6%(n=10)であった。つぎに高速液体クロマトグラフィーにおけるD-グルコースの検出限界は,0.27nmol/10μ1で従来の強酸性下での検出感度にくらべて100倍の感度を有する。また再現性はD-グルコース1nmol/10μlで変動係数1.8%(n=10)であった。
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