1986 年 1986 巻 2 号 p. 165-170
ラセミ体トリス (ナセチルァセトナト) コパルト(III) [Co(acac)3]錯体の動力学的光学分割を光学活性をアンモニウム支持電解質を用いた陰極還元によって行なった。反応は擬一次速度式にしたがい, 不斉選択性は作用電極への印加ポテンシャルの低下とともに増大し, -1.30V(vs.Ag/AgCl)において最大になった。また, 不斉選択性はキラル支持電解質の濃度および立体構造に依存し, (-)-N, N'-テトラメチレンビス (ジメチルメンチルアンモニウム) =ジペルクロラートを用いたとき各エナンチオマーに対する最大反応速度比1.10が得られた。さらに,[Co(acac)3]の還元と[Co(acac)3]の酸化を交互にくり返すパルス電解法についても検討した。
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