日本化学会誌(化学と工業化学)
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Poly [oxy-1, 4-phenyleneiminocarbonyl-(3-carboxy-1, 4-phenylene)carbonylimino-1, 4-phenylene]フィルムの延伸と熱処理
橋本 穂平井 幹原 英毅周 宗華
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1986 年 1986 巻 2 号 p. 186-191

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抄録

Poly[oxy-1, 4-phenyleneiminocarbonyl (3-carboxy-1, 4-phenylene)carbonylimino-1, 4-phenylene](PA)を有機溶媒としてN, N-dlmethylacetamide(DMA)を用いて低温溶液重縮合により合成した。このPAを加熱することにより得られるポリアミド-イミド(PAI)の機械的性質を向上させるために種々の実験を行なった。PAならびにPAIフィルムを恒温で冷延伸, 熱延伸することにより, PAIフィルムの機械的性質を向上させるのは困難であったので, PAフィルムに二通りの処理方法を適用した。1)フィルムをDMAIH20混合液(体積比50:50), 液温50℃中で延伸, ついで29.4MPaの張力下熱処理した。3倍延伸熱処理物(試料[6])の破断エネルギー, 引張弾性率, 破断強度の値はそれぞれ19.OMPa, 7.6, 0.471GPaであった。2)未延伸フィルムを2.9MPaの張力下(温度は室温から330℃ まで昇温速度16℃/minであげた)熱処理した。処理したフィルム(試料[5])の破断エネルギー, 引張弾性率, 破断強度は24.4MPa, 9.7, 0.549GPaであった。これらの値は未延伸PAIフィルム(試料[3])の2.7, 3.2, 3.8倍に相当する。試料[5]の空気中, 350℃, 1時間処理物の破断出ネルギー, 破断強度は12.4MPa, 0.472GPa(これらの値は[3]の同処理物の値にくらべて2.4, 3.9倍である)に減少したが, この結果は延伸, 熱処理物の耐熱性のよさを示している。

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