日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
白金/ジルコニア系高温空気電極の性能のばらつきに対する電気化学的解析
山越 幸康和田 圭一見城 忠男
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1994 年 1994 巻 1 号 p. 12-16

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抄録

白金ペースト電極の性能のばらつきの原因を接触面積(幾何学的因子)と接触面積によらない電極材そのものの性能(非幾何学的因子)のふたつの因子に分けて調べた.接触面積を求めるため,まずサイクリックボルタソモグラムの還元ピークの面積を求め,これを電極一電解質界面の顕微鏡観察から得られた接触面積と比較することによって実面積に変換した.非幾何学的因子の尺度としては分極の減衰曲線の時定数の逆数を用いた.白金ペーストは,白金粉-エチルセルロース-キシレンを種々の割合に混合したものを用い,電解質にはイットリア安定化ジルコニアを用いた.電極の焼き付け条件は一定にして,ペースト組成のみを変えて電極を作製した.その結果,白金ペースト電極の性能のばらつきは,これらふたつの因子のどちらか片方に特に強く依存するのではなく,両方にほぼ均等に依存することがわかった.

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© The Chemical Society of Japan
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