日本化学会誌(化学と工業化学)
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(高分子/液晶)界面における液晶分子の配列秩序度の高分子表面依存性
洪 性奎岩田 典子菊池 裕嗣梶山 千里
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1999 年 1999 巻 3 号 p. 177-183

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抄録

バルク状態の液晶分子の配列秩序度と(高分子/液晶)界面近傍の液晶分子の配列秩序度の相対的な違いを,バルク相と高分子表面の液晶分子の転移温度差の測定と表面第二次高調波測定に基づき評価した.界面近傍とバルク相の液晶分子のネマチックー等方相転移温度(TNI)差から統計的現象論に基づき界面における秩序度を間接的に評価できる.また,界面における液晶分子配列の反転対称性は必然的に失われているため,(高分子/液晶)界面で発生する表面第二次高調波を測定することができ,より直接的に高分子表面における液晶分子の配列秩序度を評価できる.両方法によつて評価された界面近傍における液晶分子の配列秩序度の高分子表面依存性は定性的によい一致を示した.高分子表面における液晶分子の配列秩序度を高分子と液晶の界面自由エネルギーの差に基づき検討した.その結果,界面の液晶分子の配列秩序度と高分子の表面自由エネルギー値との間に相関性があることが明らかになった.

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