人間ドック (Ningen Dock)
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原著
検診画像のモニター診断 ―至適ビューワーの開発,運用について―
辻 修一西岡 康二北村 直幸末元 幸一郎速水 恭子田中 綾平井 伸彦野間 隆義南 幸一
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2009 年 24 巻 1 号 p. 104-109

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抄録
目的:デジタル化へ移行しつつある検診画像であるが,一般に普及している表示端末(DICOMビューワー)は,画像を表示させる際に対象者の検索が必要なため,連続して多人数の読影が必要な検診画像の読影には適しておらず,読影の非効率化を生じているのが現状である.今回我々はその欠点を解消すべく検診画像のモニター診断に特化したシステムを開発し,日常の読影業務に運用しているので報告する.
方法:読影前にはDICOM画像のタグ情報から検査日,受診者ID,氏名等の属性情報を取得し,紙の帳票に代わるデジタル帳票を自動作成する.読影時にはデジタル帳票と画像とを連動させ,マウス,キーボード操作を極力抑え高速な画像切り替え,所見入力を行う.過去画像,過去所見との比較も容易にし,読影後は結果を汎用フォーマットで出力する.
結果:読影対象となる受診者群を選択するだけで容易にデジタル帳票が作成できた.読影結果の出力,配信も容易となり,読影前後の事務処理が簡素化され,転記に伴う人的ミスが飛躍的に改善した.読影工程においても大部分を占める正常例については高速でシームレスな画像切り替えとともに,所見(異常なし)の自動入力が実現しストレスのない読影環境が構築できた.過去画像,過去所見との比較が容易なため読影精度も向上した.
結論:検診画像のデジタル情報を一元管理することで読影工程の簡素化,高速化,効率化が実現可能となった.
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© 2009 公益社団法人 日本人間ドック学会
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