人間ドック (Ningen Dock)
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原著
参加型生活習慣病教室「ヘルスラン®」最新の成果
渡辺 直也花田 恵渡邉 裕子和田 真紀岡田 光代香村 麻理大園 達郎中西 美知江兼田 淳子同道 正行坂根 直樹
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2009 年 24 巻 1 号 p. 98-103

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抄録
目的:我々は,2000年より,食事・運動などの生活習慣を見直し,効率的な健康づくりにつなぐための参加型生活習慣病教室「ヘルスラン®」を実施してきた.医師・保健師・管理栄養士・運動トレーナーがそれぞれ専門的な立場からアプローチし,内臓脂肪面積測定や血液検査等,データに基づく指導を行っている.改良を加えながらより効果的な教室を目指しており,最新の方法と実績を紹介する.
方法:2006年9月期~2007年7月期までの全参加者44名中,6ヶ月を終了した34名(男性15名,女性19名,平均年齢57.6歳).6ヶ月間のうち講義,グループワーク,個別指導,運動指導,採血,計測等各4回,内臓脂肪面積は前と3ヵ月後(17名は6ヵ月後も)に測定した.
結果:6ヶ月後の終了時点で,体重は平均67.4kgから64.2kgと減少(p<0.01),腹囲と内臓脂肪量は,3ヶ月の時点で平均97.0cmから93.0cm,117cm2から94cm2とそれぞれ有意に減少した(p<0.01).皮下脂肪面積は,6ヶ月後にも測定を行った17名で見ると,3ヶ月で12.4%,6ヵ月後で16.7%の減少を認めた.それに伴い血圧,血糖,HbA1c,γGT,ChEが有意に低下し,HDLコレステロールは上昇した.
結論:大切なのは参加者の動機づけで,指導は,自主性を尊重し,双方向・対話型であること,採血や計測,中でも内臓脂肪面積測定は,大きな動機付けとなると考えられた.この結果をもとに,特定保健指導対応型の費用対効果のよいプログラムを作成していく予定である.
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© 2009 公益社団法人 日本人間ドック学会
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