抄録
目的:健診需要の高まる中,胃部X線検査を含む健診コースが午前中に集中し,混雑による検査精度満足度Quality Satisfaction(以下QSとする)及び顧客満足度Customer Satisfaction(以下CSとする)の低下が考えられる.午後実施の胃部X線検査の有用性の有無を検証し,午前検査実施数の緩和を図り,受診率,QSとCSの低下の防止に努めると共に維持・向上を実現する.
方法:対象画像を午前と午後の群に分け,診断画像において撮影技師及び読影医師による胃小区の描出を基準にし,視覚的評価にて診断価値の有無を検証する.
結果:「後壁中~下部」「胃上部」「前壁中~下部」の各区域に於いて多少の評価差はあるものの,胃小区模様の描出は認められ,午前と午後での著明な有意差は認められなかった.
結論:健診当日の朝食を糖及び脂質を含まない食品に限定することにより,午後の胃部X線検査は午前と同様の有用性を認め,画像診断の有効性を立証した.