人間ドック (Ningen Dock)
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原著
メタボリックシンドローム健診におけるHPLCリポ蛋白プロファイルの有用性
加瀬澤 信彦遠山 和成木内 高信岡崎 三代
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2009 年 24 巻 3 号 p. 673-680

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抄録
目的:粒子サイズに基づいたHPLCによるリポ蛋白プロファイルの応用として,メタボリックシンドローム(MS)の新しいスクリーニング指標を検討した.
対象および方法:MS健診を併用した人間ドック男性受診者100名(年齢53±7)を対象として,HPLCゲルろ過法を原理とする「LipoSEARCH®」(本法)によりリポ蛋白20分画のコレステロール濃度を定量した.健診項目および生活習慣とリポ蛋白主要クラスおよびサブクラスとの相関解析を行い,MSの識別に最も適する分画成分を選別し,MSのスクリーニング指標としての識別能をROC分析および2×2表により検定した.MSの診断は特定健診の診断基準値を用い,4個のカテゴリー(肥満,糖尿病,脂質異常,高血圧)の重積数に応じて2個以上を「軽度MS」,3個以上を「MS」とした.
結果および結論: MSとの関わりが強い肥満,TG,高血圧,GLU,CRP,WBC,肝機能マーカーおよび「不規則な食事」,「体調不良」等は,大型・中型VLDL-C,極小型LDL-C,極小型HDL-Cと明瞭な正の相関を,一方,大型HDL-Cと負の相関を示した.アディポネクチンではこれらと正負が反対の相関を示した.VLDLとHDLでは粒子サイズが大型化するほど,逆にLDLでは小型化するほどMSとの相関が強くなった.軽度MS判定において,本法によるMSのスクリーニング指標「極小型LDL-C/大型HDL-C比」(カットオフ値2.7)では,オッズ比5.71,感度0.57,特異度0.81,ホモジニアス自動分析法のスクリーニング指標「LDL-C/HDL-C比」(カットオフ値2.5)では,オッズ比3.66,感度0.46,特異度0.81であった.MS判定では,本法の感度0.75,特異度0.75に対して,自動分析法の感度0.64,特異度0.78であり,感度および陰性予測値において本法が優れていた.またMS健診において本スクリーニング指標を用いれば,GLU,TGなど食事制限を受ける項目に替わるという点で実益性がある.
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© 2009 公益社団法人 日本人間ドック学会
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