人間ドック (Ningen Dock)
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短報
新規がん検診としてのアミノインデックス®がんリスクスクリーニングの有用性に関する検討 第一報
山門 實新原 温子山本 浩史山本 麻以谷 瑞希戸田 晶子石坂 裕子
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2013 年 28 巻 4 号 p. 673-677

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抄録

目的:がん患者と健常人の血漿中アミノ酸濃度(PFAA)のバランスの違いを「アミノインデックス技術」を用いて統計解析し,がん罹患の確率を予測する新規がん検診として,アミノインデックス®がんリスクスクリーニング(AICS)が開発され,現在,肺,胃,大腸,前立腺,乳腺,子宮・卵巣の6種のがんに対するスクリーニング検査が実用開始された.本研究では,AICSの精密検査対象となるランクCの割合とAICS値の分布の妥当性について,AICS導出時の理論値と人間ドック受診者での検査結果を比較検討した.
方法:三井記念病院の人間ドック受診者799名(男性494名,女性305名,平均年齢59±11歳)を対象とし,各がん種に対するランクCの割合とAICS値について,AICS導出時の理論値と比較した.
結果:人間ドック受診者のランクC割合は,AICS(大腸),AICS(乳腺),AICS(子宮・卵巣)では,6.8%,3.0%,3.8%であり,理論値の5%と有意差がみられず,AICS値の分布も理論値と同等であった.AICS(肺),AICS(胃),AICS(前立腺)のランクC割合は,10.1%,10.8%,11.3%と理論値より有意に高く,AICS値分布も理論値と有意差がみられた.
結論:ランクC割合およびAICS値分布が理論値とほぼ同等であったことは,AICSが新規がん検診として応用可能であることを推察させた.

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© 2013 公益社団法人 日本人間ドック学会
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