抄録
目的:禁煙の啓発や推奨の向上には禁煙の有効性を示す情報提供が求められると捉え,禁煙導入から12週の期間に,BMI,血圧,呼気CO濃度,肺機能検査,酸化ストレスマーカーのd-ROMs(diacron reactive oxygen metabolites)テスト,高感度CRP(hs-CRP),血液一般検査を実施し禁煙治療の有用性を検証した.
方法:当院の禁煙治療の患者66名を対象に,初回0週と終了12週の経過ですべての検査項目の推移,特にd-ROMsテストに注目して比較検討の分析を試みた.
結果:検査値の推移に有意差を認めた項目は,呼気CO濃度とd-ROMsテスト値であり,d-ROMsテスト値の推移は,禁煙開始の早期4週で改善し,12週でも改善を維持していることが判った(p<0.01).また0週の肺機能検査1秒率(FEV1/FVC)(以下,1秒率)の違いで,d-ROMsテスト値の推移に差がみられるかについての検討では,1秒率が70%以上で禁煙すれば,d-ROMsテスト値は有意に低下することが判明した(p<0.01).
結論:今回の検討で禁煙の有効性として酸化ストレス状態の改善がみられること,さらに1秒率が70%以上ある段階での禁煙開始はより有効であることがわかり,d-ROMsテストは禁煙の短期効果を知る有用な因子となる可能性を含んでいる.