人間ドック (Ningen Dock)
Online ISSN : 2186-5027
Print ISSN : 1880-1021
ISSN-L : 1880-1021
原 著
特定保健指導の有効性:メタアナリシスから得た知見
松下 まどか村本 あき子加藤 綾子森口 次郎今井 博久春山 康夫津下 一代
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 31 巻 5 号 p. 689-697

詳細
抄録

目的:現在までに報告のある特定保健指導に関する文献を,システマティック・レビューおよびメタアナリシスし,効果の有無と改善の程度を検討する.
方法:特定保健指導に関する文献(2008年4月~2014年9月)を,医学中央雑誌とPubMedを用い検索した.採択文献から特定健康診査(以下,特定健診)の階層化基準となる検査値の変化量を抽出し,加重平均差を用いてメタアナリシスを行った.
結果:採用および除外基準により7研究を採択した.メタアナリシスより,対照群に比較し積極的支援群は,体重変化量(kg)の加重平均差-1.31(95%CI:-1.67,-0.94),BMI変化量(kg/m2)-0.45(-0.57,-0.33),腹囲変化量(cm)-1.49(-2.02,-0.95),収縮期血圧変化量(mmHg)-0.80(-1.46,-0.13),中性脂肪変化量(mg/dL)-7.47(-13.45,-1.49),HDLコレステロール変化量(mg/dL)0.88(0.53, 1.23),空腹時血糖変化量(mg/dL)-1.72(-2.84,-0.61),HbA1c変化量(%)-0.06(-0.10,-0.03)と有意に改善した.動機付け支援群は対照群に比較し,体重変化量-1.01(-1.30,-0.73),BMI変化量-0.40(-0.55,-0.26),腹囲変化量-1.15(-1.65,-0.64),中性脂肪変化量-6.95 (-11.74,-2.17),HDLコレステロール変化量0.71(0.04,1.37)と有意に改善した.すべての支援タイプを含む特定保健指導全体では対照群に比較し,体重変化量-1.10(-1.29,-0.92),BMI変化量-0.42(-0.49,-0.35),腹囲変化量-1.29(-1.62,-0.96),収縮期血圧変化量-0.67(-1.26,-0.07),拡張期血圧変化量-0.45(-0.88,-0.01),中性脂肪変化量-7.17(-10.56,-3.79),HDLコレステロール変化量0.79(0.49,1.09),空腹時血糖変化量-1.01(-1.97,-0.04),HbA1c変化量-0.07(-0.11,-0.04)と有意に改善した.
結論:特定保健指導は,特定健診の階層化基準となる検査値の改善に有効である.一部検査値で異質性を認めており,対象者特性や保健指導法別サブグループ解析が求められる.

著者関連情報
© 2017 公益社団法人 日本人間ドック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top