人間ドック (Ningen Dock)
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症例報告
人間ドックで発見された完全房室ブロックの1例
宇賀神 卓広渡辺 美穂津戸 直樹藤沼 澄夫
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2017 年 31 巻 5 号 p. 718-722

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抄録
 完全房室ブロックは,房室伝導が途絶し,心室は房室接合部以下の自動能により心拍が維持される病態である.自動能が下位に移るほどQRS幅は広く徐脈となり,失神等の脳虚血症状や息切れ等の自覚症状を来しやすく,医療機関を受診しやすい.一方,自動能が上位の場合はQRS幅が狭く,自覚症状も乏しいことがあり,まれに健診の心電図で発見される.しかし,両者とも,不可逆性で症候性の場合にはペースメーカー植込みの適応である.今回,我々は,人間ドックの心電図で発見された完全房室ブロックの1例を経験した.労作時息切れはあったが,軽微なために放置されていた.精査の結果,特発性であり,ペースメーカー植込み術により症状は消失した.大部分は徐脈による症状で受診して発見されるが,まれに健診の心電図で発見されることもあり,完全房室ブロックは健診医療従事者にとって注意すべき疾患である.また,本症例のように,他疾患のない若年成人では,症状が軽く放置されている場合もある.特に,そのような症例では,健診の心電図で指摘されても2次受診しない可能性もあり,適切な受診勧奨が望まれる.
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© 2017 公益社団法人 日本人間ドック学会
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