抄録
目的:患者の高齢化に対し,特に腎機能の変化は重要である.本研究では,高齢2型糖尿病患者の腎機能の長期変化を調査し,さらに悪化要因を解析した.
方法:当院に20年間(1995年~2014年)継続受診している高齢2型糖尿病患者を対象とした.採血データは,5年間の平均値(1995~1999年の平均値と2010~2014年の平均値)を利用し,受診日変動を緩和した.20年前と20年後の採血データを比較し,推算糸球体濾過量(eGFR)の低下と相関する因子を単変量および多変量解析で検討した.
結果:脂肪肝,心血管疾患の既往,BMI高値,収縮期血圧高値,随時血糖高値,γ-GTP(GGT)高値,尿酸高値,HDL-C低値,尿中アルブミン・クレアチニン比30以上がeGFRの低下と相関した.また,20年前の平均eGFRが70以上の集団について,20年後のeGFRが60未満になる因子を多変量ロジスティック解析で求め,GGT高値が有意となった.
結論:軽度の肝機能異常は軽視されがちであるが,早期より注意することが長期的な腎機能維持に重要と考えた.