抄録
目的:動脈硬化危険因子と生活習慣の関連を検討する.
方法:当施設を受診した5,959人のうち,腹囲は男性85cm以上と未満,女性は90cm以上と未満,高血圧,脂質異常,高血糖は二次検査なし群とあり群の2群に分け,生活習慣との関連をχ2検定した.次に,有意差を認めた生活習慣を独立変数に,各危険因子を従属変数としロジスティック回帰分析を行った.
結果:χ2検定において各動脈硬化危険因子に共通して有意差がみられた生活習慣は,男女とも,「20歳からの体重増加10kg以上」であった.ロジスティック回帰分析の結果,男性では,「20歳からの体重増加10kg以上」はすべての動脈硬化危険因子に,「夕食後に間食をとることが週に3回以上」,「飲酒頻度」は高血圧に独立して影響した.「日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施」,「ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い」,「1年間の体重の増減が±3kg以上」,「人と比較して食べる速度が速い」,「就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上」が腹囲に独立して影響した.女性においては,「20歳からの体重増加10kg以上」はすべての動脈硬化危険因子に,さらに,「人と比較して食べる速度が速い」が腹囲に独立して影響した.
結論:動脈硬化性疾患の予防には,長期的な体重増加の抑制が重要である.