2018 年 33 巻 3 号 p. 433-439
目的:禁煙に対する関心度の変化を指標として,人間ドック受診時に実施した禁煙指導の効果を検討した.
方法:2014~2015年度人間ドック2年連続受診者14,010名(男性8,812名62.9%,女性5,198名37.1%)を対象とし,1)喫煙状況を把握するため喫煙率を性別・年代別・業種別に調査した.2)2014年に禁煙指導を受けた群(以下,指導群)113名と,受けなかった群(以下,非指導群)964名について,次年度に禁煙関心度の変化を比較し,年1回の禁煙指導のもたらす効果を検討した.
結果:喫煙率は平均22.5%(男性30.0%,女性9.8%).20~40歳代の喫煙率が高く,喫煙率が高率だった業種は「建設業」「飲食店宿泊業」「卸小売り業」であった.禁煙指導介入の有無による比較では,指導群で有意に次年度の禁煙関心度の上昇がみられた.4段階とした禁煙関心度について,1年目の関心度別に,2年目の関心度上昇の有無を指導群と非指導群で比較したところ,1年目が無関心期の群において,指導群で有意に2年目の関心度の上昇がみられた.
結論:禁煙関心度の変化に関し,指導群は非指導群より有意に関心度上昇がみられたため,年1回の禁煙指導は有効であると考えられる.喫煙者に対してはどの関心度でも禁煙指導を行うことが重要であるが,無関心期にある受診者への禁煙指導は,特に関心度上昇に繋がる可能性が高い.