2018 年 33 巻 3 号 p. 440-446
目的:各種がん患者と健常人の血漿中アミノ酸濃度を統計解析し,がん罹患の確率を評価するアミノインデックスⓇがんリスクスクリーニング(AICSⓇ)は,7種のがん検査として実用化さている.本報では,AICS検査のがん予防に対する意義を明らかにする目的で,AICSランクとがん発症リスクと関連する生活習慣の関係について検討した.
方法:人間ドック受診者10,102例(男性6,147例,女性3,955例,平均年齢54±11歳)を対象とし各種AICS値を算出した.生活習慣に関する問診カードの回答およびBMI,糖尿病罹患の有無について各2群に分け,ランクとの関連性,1つでもランクCと判定されるオッズについて解析した.
結果:運動頻度,運動時間がそれぞれ少ない群と多い群,食事時間が不規則な群と規則的な群,魚類,大豆類,牛乳・乳製品,果物,海藻のそれぞれをあまり食べない群と毎日食べる群,喫煙群と非喫煙群,飲酒量が多い群と少ない群,熟睡感が不十分な群と十分な群,BMIの適正範囲外群と適正範囲内群,糖尿病罹患群と非罹患群の各比較において,前者の方が後者に対して各種AICSのなかで1つでもランクCと判定されるオッズが有意に高かった.
結論:運動習慣,食習慣,喫煙,飲酒,肥満,糖尿病等のがんリスクと関連する生活習慣とAICSランクとの関連性が示され,がんの予防に繋がる生活習慣を改善することでランク判定が改善していく,すなわちがんのリスクを下げる可能性が示唆された.