人間ドック (Ningen Dock)
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原著
健診二次検査受診率向上への取り組み
高橋 有香泉 並木
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2018 年 33 巻 4 号 p. 586-594

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抄録

目的:健診後の二次検査受診率向上に対する取り組みとその結果を評価し,今後の課題について検討すること.

対象と方法:2008年1月から2016年12月の人間ドック受診者(年平均2,265人)に対し,健診後の二次検査受診率向上のために取り組んできた内容についてまとめ,2008年と2016年時の二次検査受診率を比較した.

結果:2008年より当院で行った二次検査結果の調査(以下,院内二次検査調査),2009年より他施設で行った二次検査の調査(以下,院外二次検査調査)を開始した.院内二次検査は,2011年9月までは紙カルテ,以降は電子カルテで結果を確認した.院外二次検査は,開始当初は,受診者に二次検査調査票を送付して調査を行っていたが,2013年より受診者に結果報告書と一緒に紹介状を送付し,受診した医療機関から結果が返信される方式とした.2014年,健診システム変更により二次検査調査は効率化し,二次検査調査の結果が健診結果と連動して時系列で参照できるようになったことより,受診者により有用な情報提供を行えるようになった.多角的な試みにより,2008年に比し2016年の二次検査受診率は,生活習慣病関連項目については有意に上昇し,がん関連項目については従来受診率の高かった上部消化管内視鏡検査を除いて,一部有意ではないが,上昇傾向となった.

結論:二次検査受診率をさらに向上させるためには,今後いかに受診者の二次検査受診への動機付けを行うかが課題である.

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© 2018 公益社団法人 日本人間ドック学会
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