人間ドック (Ningen Dock)
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原著
40~50歳代女性受診者における睡眠の確保に影響を及ぼす要因と課題
足利 一美齋藤 敏子一関 智子村田 雅彦宮下 正弘
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2018 年 33 巻 4 号 p. 595-601

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抄録

目的:日本人は世界で2番目に睡眠時間が短く,約3割は6時間未満で特に女性が短い.そのなかでも一番短いといわれている40~50歳代女性受診者を対象に,睡眠の確保に影響を及ぼす要因を明らかにし,保健指導に活用する.

方法:問診時に,独自に作成した調査用紙を用いて聞き取り調査を実施.また,問診票より情報収集した.

結果:27名全員が有職者で,教職員20名,市町村・都道府県職員5名,電話会社員1名,イラストレーター1名であった.労働時間は平均11時間7分,睡眠時間は平均6時間15分であった.睡眠の満足度については「満足していない」が55.6%,「どちらともいえない」が14.8%,「満足」が29.6%であった.中途覚醒は51.9%,睡眠で休養が十分とれていない割合は59.3%,睡眠時間は充分でない割合は66.7%であった.帰宅時間は全員18時以降であった.帰宅後就寝するまでの行動の平均時間は,受診者の96.3%が家事で84分,51.9%が仕事で38分,55.6%が娯楽で49分であった.睡眠の確保の対策をしない理由については,「習慣になっている」,「睡眠を重要視していない」などがあった.

結論:食事や運動指導と同じように睡眠に関しても個別的,具体的な指導を行っていくためには,生活背景全体をアセスメントしていく必要がある.そして,睡眠不足がもたらす心身への影響を理解してもらい,睡眠の重要性を伝えていく必要があると考える.今後,リーフレットなどを作成して具体的な睡眠の保健指導を行うことができるよう取り組んでいきたい.

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© 2018 公益社団法人 日本人間ドック学会
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