人間ドック (Ningen Dock)
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原著
人間ドック男性受診者におけるHelicobacter pylori感染と大腸腺腫罹患との関連についての検討
太田 純子林 良典飯島 喜美子佐々部 典子郡司 俊秋
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2019 年 33 巻 5 号 p. 694-700

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抄録

目的:大腸腺腫発症のリスク因子として,Helicobacter pyloriH. pylori)感染およびMetabolic syndrome(MetS)因子,生活習慣因子の関与について検討した.

方法:2013年4月から2017年3月までに,当院人間ドックを受診した男性44,254名のうち,便潜血検査(免疫反応2日法)が陽性で,二次検査として全大腸内視鏡検査が施行された1,450名を対象とした.40歳未満,上部消化管内視鏡検査未施行,内臓脂肪面積未測定,大腸悪性腫瘍・炎症性腸疾患を除外した990名(平均年齢55.3歳)について横断研究を行った.大腸腺腫発症のリスク因子として,H.pylori抗体価およびH. pylori感染胃炎,MetS因子,生活習慣因子が及ぼす影響について,単変量解析およびロジスティック回帰分析による多変量解析を用いて検討した.

結果:単変量解析の結果,大腸腺腫保有群はH. pylori感染胃炎の割合が54.2%と非保有群の34.7%に比し高率で,H. pylori抗体価とともに有意差(p<0.01)を認め,年齢,BMI,内臓・皮下脂肪面積,血圧,中性脂肪,空腹時血糖,飲酒,喫煙,運動についても同様に有意(p<0.01)であった.MetS因子,生活習慣因子に加え,H. pylori抗体価(Model 1)およびH. pylori感染胃炎(Model 2)を共変量として用いた多変量解析の結果,H. pylori抗体価陽性(OR 1.595,95%CI:1.093-2.327,p=0.015)およびH. pylori感染胃炎(OR 1.97,95%CI:1.46-2.65,p<0.01)は独立した有意な危険因子であった.両モデルともに高齢,内臓脂肪蓄積,飲酒,喫煙,運動が有意(p<0.01)に関連する因子であった.

結語:H. pylori感染は大腸腺腫発症の独立した有意な危険因子であった.

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© 2019 公益社団法人 日本人間ドック学会
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