2020 年 35 巻 1 号 p. 33-37
目的:特定保健指導の初回面接開始の増加に向けて取り組んでいくために未実施者に着目すると,「自己管理をしたい」,「忙しい」という理由が全体の3割を占めていることが分かった.今回特定保健指導開始者増加を図るため,初回面接時の取り組みを行い,その効果を明らかにした.
方法:対象は,取り組み前の平成28年7月~平成29年3月(以下H28年度と略)の特定保健指導対象者479名,および取り組み後の平成29年6月~平成29年12月(以下H29年度と略)の特定保健指導対象者460名.初回面接時のスタッフ間での説明方法の統一を図った.また特定保健指導開始を断る対象者へフローチャートに沿った追加説明を行い,その取り組み前のH28年度と取り組み後のH29年度の特定保健指導開始者数,開始率および未実施者の理由を比較した.
結果:特定保健指導開始率は,H28年度は18.0%(86名)で,H29年度25.4%(117名)と増加がみられた.最初は特定保健指導の開始を断っていたが,その後フローチャートを用いて説明を行い開始になった者は2名であった.
結論:今回の取り組みにより,積極的に特定保健指導の導入を行うようスタッフの意識が変化したり,受診者のモチベーションが上がったことで,特定保健指導の開始率増加につながる可能性が示唆された.